2026年7月28日、小原村の「数珠くり」に参加しました。
一年を通して行われる村の行事のなかでも、三本の指に入るほど大切な祀りの日です。
今年も、にぎやかに、そしてとても楽しく執り行われました。
朝8時、村の皆さんが梅田大明神に集まりました。
はじめに自治会長さんからご挨拶があり、
村人の一年の安全と健康、そして豊穣への祈願と感謝を、産土さまに唱え上げます。
その後、村人全員で般若心経を5回お唱えしました。
続いて、皆で本殿の周りを33回巡ります。
さらに、鳥居から本殿までを八の字を描くように3回巡り、
最後に洗米とお神酒、お菓子をいただいて、朝の神事はいったん終了しました。
その後は、大日堂の隣にある公民館へ移動しました。
地域で安心して暮らしていくためのお話を伺ったり、
人権について学んだりしながら、村の皆さんと時間を過ごしました。
そして午前11時、いよいよ大日堂で数珠くりがはじまります。
数珠くりは、
村人みんなで大きな数珠を囲み、声を合わせながら数珠を繰っていく、
小原村に受け継がれてきた大切な祀りです。
まず村人全員で般若心経を3回お唱えし、その後、ご詠歌を唱えます。
お釈迦さまのご詠歌、観音さまのご詠歌、大日如来さまのご詠歌。
最後に、弘法大師さまのご詠歌をお唱えし、舎利礼文を唱えました。
そして、その後はいよいよ、大きな大きな数珠を使った数珠くりです。
村人みんなで、まるで綱引きのように大きな数珠を引っ張り合いながら、
「なんまいだ、なんまいだ」
と声を合わせます。
それはそれは、にぎやかな祀りです。
特に今年はにぎやかで、
「わっしょい、わっしょい、なんまいだ」
と、変化球も飛び出していました。
昨年よりも女性の参加が多く、
皆さん汗をかきながら、笑顔で楽しそうに数珠を繰っておられました。
今回は、撮影のお手伝いに来てくださった方もいて、本当に助かりました。



先人の智慧に守られて
数珠くりの後は、公民館に集まり、皆で会食です。
昨年よりも参加者が多く、にぎやかで、楽しく、とてもリラックスした雰囲気に包まれていました。
こうして、村の皆さんと一緒に食卓を囲めることも、私にとってはとても嬉しい時間です。
会食のなかで、村の長老の方が、こんなことをおっしゃいました。
「先人の人たちが築いてきてくれた智慧を、本当に心から尊敬している。
その人たちに比べたら、自分なんて何も大したことをしていない。」
けれども、私は、その方がされていることの尊さを強く感じています。
長い年月にわたって、先祖から受け継いできたものを守り、
土地を守り、そして村のつながりを守っていく。
それは、決して目立つことではないかもしれません。
けれども、そうした一人ひとりの積み重ねがあってこそ、
今もこの村の祀りが続き、こうして皆で集まることができるのだと思います。
小原村には、長い年月をかけて受け継がれてきた智慧があります。
それは、何か一つの決まった考え方というよりも、
土地を大切にすること。
人とのつながりを大切にすること。
先人への敬意を忘れないこと。
そして、これから先のことを、皆で考えていくこと。
そうした暮らしのなかに、静かに息づいているものなのだと思います。
私は今回、あらためて、その智慧の大きさを感じました。
水の満ちる祭礼の日
7月は、ずっと雨の少ない日が続いていました。
けれどもこの日、祭礼の日の梅田大明神の水の行場には、
透き通った美しい水が、しっかりと満ちていました。

その水を眺める村人の皆さんの笑顔も、どこか誇らしそうでした。
私は、このような現代の世界のなかで、小原村にいられることを、本当に奇跡のように感じています。
この村に迎え入れていただいたこと。
祀りを共にさせていただけること。
先人から続く智慧に触れ、村の皆さんと共に、未来を考えられること。
そのありがたさと、かけがえのなさに、胸がいっぱいになりました。
小原村には、目には見えないけれども、確かに存在している大きなつながりがあります。
神さまと、ご先祖さまと、土地と、水と、今を生きる村人たち。
そのすべてが支え合いながら、小原村という場所を守り続けているのだと思います。
あらためて、小原村の素敵を、深く感じる一日となりました。